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広島の自動車部品メーカー 追加関税発動で「影響深刻に」
アメリカのトランプ政権は、輸入される自動車に25%の追加関税を課す措置を日本時間の3日午後1時すぎに発動しました。
広島県呉市の自動車部品メーカーでは、幹部が集まって会議を開き、追加関税分を部品の販売価格に転嫁するかなど今後の対応を 検討していました。
広島県呉市に本社がある創業60年の「ベンダ工業」は、グループ全体の売り上げのおよそ9割をマツダをはじめとした 自動車メーカー向けの部品が占めています。
3日朝は、トランプ政権による追加関税措置が発動されるのを前に、会社の幹部が社内の会議室に集まり、関係するニュースを 見て情報収集を進めていました。
この会社では、韓国や中国にある拠点から自動車部品をアメリカに輸出しています。
昼前から、海外の拠点にいる幹部もオンラインで参加して会議を行い、今後の対応を協議しました。
この中では、部品の販売価格に追加関税分を転嫁するかどうかや、インドやヨーロッパなどアメリカ以外の地域での販路をさらに 拡大することなどを話し合っていました。
ベンダ工業の八代一成社長は「アメリカに直接輸出している部品だけでなく、日本の自動車メーカーから間接的にアメリカに 輸出されるものもあるので、深刻な影響になるだろうと考えている。各国に関税が課せられるため、生産拠点を分散している効果は なく、影響を大変懸念している」と話していました。
この会社では、自動車業界を取り巻く環境の変化に対応しようと、さまざまな取り組みを行ってきました。
自動車業界の電動化に向けた動きが進む中で主力のエンジン関連部品の需要が減っていくと考え、これまでに電気自動車で使われる 部品を試作するなどしてきましたが、将来的にはロボットや半導体装置、医療機器など、自動車以外の業種への参入も 検討しています。
7年後には、こうした新しい分野の売り上げを全体の半分まで増やしたいとしています。
八代社長は「影響を受けるのは私たちだけではない。自動車が100年に一度の変革期を迎える中、これまでのような一本足打法ではなく、既存の分野と新しい分野、両輪で進めていきたい。最適解を見つけていきながら苦難を乗り越えていきたい」と 話していました。
広島県の湯崎知事は記者団に対し「取引コストが非常に上がり、広島県だけでなくグローバルに影響がある。対応を進める企業に 資金的な支援や、影響を和らげる対応を考えていくことになると思う」と述べました。
また、追加関税を課す措置が発動された自動車産業については「マツダはアメリカが一番大きな販売先で非常に大きな影響があると 想定している。マツダやサプライヤーの対応状況を見ながら、国や金融機関とも連携してどういうサポートができるかを 検討していきたい」と述べました。
そのうえで、湯崎知事は「高い関税は世界全体のGDPを引き下げる影響があり、アメリカ自身にも大きく跳ね返る。 アメリカの対応が変わらないなら、日本やヨーロッパは自由貿易体制をしっかりと進めていく必要がある」と指摘しました。
【マツダ「大きな影響と受け止め」】
アメリカのトランプ政権が輸入される自動車に25%の追加関税を課す措置を日本時間の3日午後、発動したことについて、マツダは「今回の関税措置は日本の自動車産業全体そして、当社の事業活動に大きな影響を及ぼすと受け止めている。 まずは自社でコントロールが可能な原価低減、固定費削減などに全力で取り組み、取引先や販売店、従業員を守ることを最優先に、 お客さまへの影響を最小限に抑え、最適な対策を講じていく」とするコメントを出しました。
2025年4月5
車の安全性や快適性向上へ 自動車部品メーカーで技術開発加速
車の安全性や快適性を高めるためのソフトウエアの開発競争が激しくなる中、自動車部品メーカーの間でも技術開発が加速しています。
アメリカ・ラスベガスで10日まで行われた世界最大規模のテクノロジー見本市CESでは、自動運転などが可能となる最新のソフトウエアを搭載した次世代の車の出展が相次ぎました。
ソフトウエアの重要性が高まるなか、自動車部品メーカーの間でも関連する技術開発が進んでいて、このうち、フランスの部品大手のヴァレオは自動車メーカーのソフトウエア開発を支援するシステムを展示しました。
例えば、生成AIに富士山の絵を描かせてこのシステムにインストールすると、即座に運転席のディスプレーに反映され、背景として設定できるようになります。
開発責任者のデレク・ド・ボノさんは「移動という自動車の役割は100年前から変わらないが、その方法は変わっている。習慣やニーズの変化にあわせてわれわれも変化していく必要がある」と話しています。
また、ドイツのコンチネンタルは、車の持ち主が近づくと、顔認証で自動でドアやトランクの鍵を開けられるシステムを展示しました。持ち主以外が近づくと、警告音が鳴るなど、セキュリティー対策も取られています。
このほか、ドイツのボッシュは、雪道でも滑りにくくなるようにブレーキを制御するソフトウエアを紹介していて、各社とも新たな製品作りを進めています。
2025年2月2日(日)
トヨタ 認証不正の3車種 7月以降も生産停止 再開時期は未定
2024年6月14日
トヨタ自動車は、国の認証試験で不正を行っていた3つの車種について、6月28日までとしていた生産の停止を、7月以降も続けることを決めました。生産の再開の時期については、今の時点で決まっていないとしています。
トヨタ自動車は、国の型式指定の申請に伴う認証試験で不正を行っていたことが明らかになり、国土交通省の出荷停止の指示を受けて、6月6日から
宮城県と岩手県の子会社の工場で生産する「ヤリス クロス」など、3車種の生産を停止しています。
トヨタは、6月28日まで生産を停止することを決めていましたが、7月以降も生産停止を続けることを決めました。
少なくとも7月31日までは停止し、その後の再開の時期は、今の時点で決まっていないとしています。
また、トヨタは、今回の不正を受けて、今後、新たに発売する予定の新型車について、新規の型式指定の取得に向けた試験などの手続きを停止していることを明らかにしました。
この影響で、ことし半ばごろに発売を予定していたクラウンの新型車について、発売の延期を決めたということです。
トヨタ・ホンダ・日産 4月の世界販売台数 中国市場苦戦で減少
2024年5月30日
先月の自動車の世界販売台数は、中国市場での販売の苦戦が影響しトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車がいずれも前の年の同じ月を 下回りました。
日本の主な自動車メーカー8社が発表した 先月の世界全体での販売台数は、トヨタ自動車が79万7097台と前の年の同じ月を0.5% 下回ったほか、ホンダが1.8%、日産自動車が5.7%、それぞれ減少しました。
3社はヨーロッパ市場などでは販売を伸ばしたものの、EV=電気自動車の普及が 進む中国で販売が苦戦したことが影響しました。
中国市場をめぐっては、三菱自動車工業が 去年10月に撤退を決めたほか、ホンダは合弁会社1社で希望退職を募集する一方、 EV専用工場の年内の稼働を計画するなど、日本メーカー各社が戦略の見直しを進めています。
そのほかでは、スズキは9.9%、マツダは1.4%、SUBARUは7.9%、ぞれぞれ前の年の同じ月を上回った一方、三菱自動車工業は5.3%、ダイハツ工業は33.8%、それぞれ 減少しました。
ダイハツ 不正発覚前の国内向け生産の全車種で出荷再開へ
2024年4月20日
ダイハツ工業による国の認証取得の不正問題で、国土交通省は19日、「ムーヴ キャンバス」など3車種について基準への適合が確認できたとして出荷停止の指示を解除しました。これによって、ダイハツは不正が発覚する前に国内向けに生産していたすべての車種で出荷ができるようになります。
ダイハツが国の認証を不正に取得していた問題で、会社は、去年12月、国内に4つあるすべての自動車工場で稼働を停止しましたが、 国土交通省による試験で基準への適合が確認され、出荷停止の指示が解除された車種から順次、生産を再開しています。
こうした中、国土交通省は
「ムーヴ キャンバス」
「ロッキー」のハイブリッド車
トヨタブランドの「ライズ」のハイブリッド車について
基準への適合が確認できたとして19日、出荷停止の指示を解除しました。
会社は、これらの車種の生産や出荷の再開に向けて部品メーカーなどと調整を進めるとしています。
今回の措置によって、不正が発覚する前までダイハツが国内向けに生産していたすべての車種で出荷ができるようになります。
ダイハツは「安全・品質を最優先することを再徹底したうえで、お客様に一日でも早くお届けできるよう努めてまいります」 と話しています。
一方、すでに生産を終了した車種の中には、まだ国による確認試験が続いているものもあります。
“テスラ 世界の従業員の10%以上を削減の方針” 欧米メディア
2024年4月16日
アメリカの電気自動車メーカー、テスラが、世界の従業員の10%以上を削減する方針だと欧米のメディアが報じました。 中国のEVメーカーとの競争などを背景に販売台数が減少したことに対応して収益力の改善を図る狙いがあるとみられています。
欧米のメディアは15日、テスラのイーロン・マスクCEOが世界の従業員を10%以上、削減する方針を社内メールで従業員に伝えたと報じました。
ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、従業員へのメールの中でマスクCEOはコストを削減して生産性を向上する必要があるとした うえで、「私たちは組織の徹底的な見直しを行い、世界で10%以上の人員削減という難しい決断を下した。これほど嫌なことはないがやらなければ ならない」などと伝えたということです。
テスラの従業員は去年の年末の時点で14万人余りで、10%はおよそ1万4000人にあたり、実施した場合は大規模な人員削減となります。
テスラは、中国のEVメーカーとの競争やEV需要の伸びの鈍化を背景に、先月までの3か月間の新車販売台数がおよそ4年ぶりに前の年の同じ時期を 下回っていて、人員削減には収益力の改善を図る狙いがあるとみられています。
ダイハツ 本社工場「コペン」生産再開で国内の全工場が稼働へ
2024年4月12日
「ダイハツ工業」が国の認証を不正に取得していた問題で、会社は停止していた軽乗用車の「コペン」の生産を来月7日から大阪 池田市の本社工場で再開すると発表しました。これによって、国内にあるすべての自動車工場が稼働することになります。
「ダイハツ工業」が国の認証を不正に取得していた問題で、会社は去年12月に国内に4つあるすべての自動車工場で稼働を停止しましたが、国土交通省による試験などで基準への適合が確認され、出荷停止の指示が解除された車種から順次、生産を再開しています。
こうした中「ダイハツ工業」は、出荷停止の指示が解除された軽乗用車の「コペン」の2車種について、来月7日から大阪 池田市の本社工場で生産を再開すると発表しました。
これによって、国内にあるすべての自動車工場が稼働することになります。
また、軽乗用車の「タフト」についても来月6日から子会社のダイハツ九州の大分工場で生産を再開することにしています。
「ダイハツ工業」は、今回の問題を受けて今月8日に新たな経営方針を発表し、小型車の海外事業については、親会社のトヨタ自動車が開発から認証取得までの責任を持つ体制に変更して再発防止を進めることを明らかにしていました。